立退料請求を弁護士に依頼するときは、相談料、着手金、報酬金(成功報酬)、実費などがかかります。ただし、弁護士費用は全国一律ではなく、同じ料率でも「立退料の総額」を基準にするのか、「大家の提示額から増額できた金額」を基準にするのかによって負担額が変わります。
そのため、依頼前に確認すべきなのは、単なる料金表の数字ではありません。何を経済的利益として計算するか、交渉から訴訟へ移ったときに追加費用があるか、費用倒れを防ぐ制度が適用されるかまで、見積書と委任契約書で確認することが重要です。
アイシア法律事務所では、店舗・テナント・飲食店などの事業用物件について、立退き問題の法律相談と弁護士費用の見積りを0円で行っています。また、申出があり適用条件を満たす場合には、弁護士費用を上回る増額を確保する「絶対増額保証制度」を用意しています。
- 事業用物件の法律相談・見積りは0円
- 着手金と報酬金は経済的利益を基準に計算
- 総額基準か増額分基準かで費用は変わる
- 絶対増額保証制度は申出・適用条件の確認が必要
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
立退料請求の弁護士費用を構成する項目
立退料請求の弁護士費用は、主に相談料、着手金、報酬金、実費・日当で構成されます。さらに、消費税、訴訟へ移行した場合の追加着手金、鑑定や会計資料の分析にかかる専門家費用などが加わることがあります。
相談料
相談料は、正式に依頼する前に、契約内容、立退き理由、大家の提示額、事業への影響などを弁護士に相談する費用です。無料相談を実施する事務所もあれば、時間単位で相談料を定める事務所もあります。
当事務所では、店舗・テナント・飲食店などの事業用物件の立退き問題について、法律相談と見積りを0円としています。正式な依頼をするまでは弁護士費用は発生しません。
着手金
着手金は、弁護士が相手方への通知、資料分析、交渉などに着手する段階で支払う費用です。一般には事件の結果にかかわらず返還されない性質がありますが、着手金0円の完全成功報酬型や、分割払いなどが提案される場合もあります。
立退料請求では、請求額や見込まれる経済的利益が依頼時点で確定しにくいため、着手金の算定基礎をどのように置くかが重要です。希望額をそのまま基準にするのか、現実的な争点額を基準にするのかを見積書で確認しましょう。
報酬金・成功報酬
報酬金は、交渉や訴訟が終了したときに、得られた経済的利益に応じて支払う費用です。立退料請求では、次のような算定方法があります。
- 立退料の総額を基準にする方法:最終的に受け取る立退料全体を経済的利益として計算します。
- 増額分を基準にする方法:大家の確定提示額と最終解決額との差額を経済的利益として計算します。
- 定額と割合を組み合わせる方法:解決報酬や最低報酬に、経済的利益の一定割合を加えます。
「成功」の定義も確認が必要です。金銭の受領だけでなく、明渡期限の延長、賃料免除、原状回復義務の免除、保証金の返還などを経済的利益として評価する契約もあります。
実費・日当・専門家費用
実費には、郵便代、内容証明郵便の費用、登記事項証明書の取得費、交通費、裁判所へ納める印紙代・郵便切手代などがあります。遠方への出張や裁判期日への出席について日当が定められることもあります。
店舗・テナントの案件では、移転費、内装・設備費、営業休止損失、賃料差額などを具体化するため、不動産鑑定士、税理士、会計士などの協力が必要になる場合があります。その費用を誰が負担し、依頼前の承認が必要かも確認してください。
アイシア法律事務所の立退料請求に関する料金基準
当事務所では、個別案件について別の弁護士費用を定める場合を除き、原則として経済的利益に応じた段階制の基準で着手金・報酬金を算出します。事案の難易度、想定される作業量、交渉・訴訟の見通しなどを踏まえ、正式な依頼前に個別の見積りを提示します。
| 経済的利益の部分 | 着手金 | 報酬金 |
|---|---|---|
| 300万円以下の部分 | 8% | 16% |
| 300万円超~3000万円以下の部分 | 5% | 10% |
| 3000万円超~3億円以下の部分 | 3% | 6% |
| 3億円超の部分 | 2% | 4% |
この表は、各金額帯の「部分」ごとに料率を掛けて合計する段階制です。たとえば経済的利益が500万円であれば、500万円全額に5%や10%を掛けるのではなく、300万円までの部分と、それを超える200万円の部分を分けて計算します。
上記の料率は税別です。消費税のほか、実費、事務手数料、日当などが生じる場合があります。また、立退料請求では事案に応じて完全成功報酬制、分割払い、絶対増額保証制度などの個別提案をすることがあるため、最終的には交付された見積書と委任契約書が基準になります。
経済的利益が500万円の場合の計算例
着手金と報酬金の双方について経済的利益を500万円と仮定すると、税別の基準額は次のとおりです。
- 着手金:300万円×8%+200万円×5%=34万円
- 報酬金:300万円×16%+200万円×10%=68万円
- 合計:102万円+消費税・実費等
実際には、着手金は依頼時の請求額や争点額、報酬金は最終的に得られた利益など、異なる金額を基礎に計算することがあります。この計算例は料金構造を理解するための例であり、個別案件の確定見積りではありません。
経済的利益が1000万円の場合の計算例
- 着手金:300万円×8%+700万円×5%=59万円
- 報酬金:300万円×16%+700万円×10%=118万円
- 合計:177万円+消費税・実費等
金額が大きくなるほど高い料率を全額に掛けるのではなく、超過部分には次の料率が適用されます。そのため、段階の境目を超えた瞬間に弁護士費用が急増する仕組みではありません。
総額基準と増額分基準の違い
大家から300万円の提示を受けた後、弁護士の交渉で800万円の立退料を得たケースを考えます。最終額は800万円、増額分は500万円です。
| 成功報酬の基準 | 経済的利益 | 上記基準による報酬金の例 |
|---|---|---|
| 増額分を基準 | 500万円 | 68万円(税別) |
| 立退料総額を基準 | 800万円 | 98万円(税別) |
同じ10%前後という説明でも、算定基礎によって手取り額は変わります。見積書には、基準となる大家の提示額、最終額、増額分の定義を具体的に記載してもらうことが大切です。
口頭の概算だけで依頼を決めず、着手金、報酬金、最低報酬、解決報酬、実費、訴訟移行時の費用を含む書面の見積りを確認してください。
絶対増額保証制度とは
絶対増額保証制度は、申出により制度の適用を受けた案件について、弁護士費用を上回る立退料の増額を確保し、弁護士費用で依頼者に損をさせないための制度です。弁護士費用が立退料の増額金額を上回る場合には、その差額を返還します。
当事務所では、店舗・テナント・飲食店などの事業用物件の立退料請求案件を対象として、案件の見通しや条件を確認した上で絶対増額保証制度を用意しています。制度の適用は自動ではなく、申出と個別の確認が必要です。
保証制度を利用する前に確認すること
- 制度の適用対象:物件用途、契約違反の有無、相手方の提示状況など、どの条件を満たす必要があるか。
- 申出の時期:相談時、委任契約前など、いつまでに制度利用を申し出る必要があるか。
- 増額の基準額:大家の書面提示額、口頭提示額、依頼時点の確定額のどれと比較するか。
- 弁護士費用の範囲:着手金・報酬金だけか、消費税、実費、日当、専門家費用も含むか。
- 差額返還の時期:立退料の入金時、事件終了時など、いつ精算するか。
制度の名称に「絶対」とありますが、特定の金額、増額倍率、交渉期間、訴訟の勝敗を一律に保証するものではありません。保証される内容は、適用条件を満たす案件について、弁護士費用と増額金額の関係で費用倒れを防ぐことです。
当事務所が本サイトで案内する無料相談と絶対増額保証制度は、店舗・テナント・飲食店などの事業用物件を中心としています。居住用物件を含む個別案件の対応可否は、相談申込み前に確認してください。
制度の詳しい適用条件や立退料請求の対応内容は、立退料請求の弁護士相談ページでも確認できます。
着手金型と完全成功報酬型はどちらがよいか
立退料請求では、着手金を支払って交渉を開始するプランと、着手金を抑えて解決時の報酬を中心にする完全成功報酬型があります。どちらが有利かは、初期負担だけで決まりません。
| 料金体系 | 主な利点 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 着手金型 | 成功報酬の料率が相対的に抑えられる場合がある | 不成立・中途終了時の着手金の扱い |
| 完全成功報酬型 | 依頼時の資金負担を抑えやすい | 解決報酬、最低報酬、成功報酬の基準 |
| 定額+成功報酬型 | 初期対応と成果の双方を反映しやすい | 定額部分がいつ発生するか |
完全成功報酬型でも、事務手数料、実費、最低報酬、訴訟移行費用などが別途発生することがあります。また、「増額できなければ費用0円」と「立退料を受け取れなければ費用0円」では意味が異なります。依頼前に不成立の定義まで確認しましょう。
当事務所では、案件内容や見通しに応じて、完全成功報酬制、分割払い、絶対増額保証制度などを含む柔軟な提案を行うことがあります。無料見積りの段階で、初期負担と最終的な手取り額の双方を確認してください。
交渉から訴訟へ移った場合の追加費用
立退料の交渉がまとまらず、貸主から建物明渡請求訴訟を起こされた場合や、裁判上の和解を目指す場合には、交渉段階とは別の弁護士費用が生じることがあります。
| 項目 | 追加される可能性がある費用 | 見積りで確認する点 |
|---|---|---|
| 訴訟対応 | 追加着手金、期日対応費用 | 交渉プランに訴訟対応が含まれるか |
| 裁判所費用 | 印紙代、郵便切手代、謄写費用 | 概算額と立替・精算方法 |
| 遠方対応 | 交通費、宿泊費、日当 | オンライン期日でも日当が生じるか |
| 専門家利用 | 不動産鑑定、会計・税務資料の分析費 | 依頼者の事前承認が必要か |
| 上訴・強制執行 | 控訴・上告・執行の追加費用 | 当初契約の対象範囲 |
訴訟では、判決だけでなく和解で解決することも多く、立退料の支払時期と明渡し時期を連動させる条項が重要になります。訴状や裁判所からの呼出状が届いている場合は、回答期限や初回期日を放置せず、立ち退き訴訟の流れ・費用・立退料の扱いも確認してください。
「訴訟になったら別途協議」とだけ書かれている場合は、追加着手金の算定方法、期日日当、控訴時の費用まで質問しておくと、交渉決裂後の資金計画を立てやすくなります。
弁護士費用倒れを判断する方法
費用倒れを判断するときは、受け取る立退料の総額ではなく、弁護士に依頼しなかった場合と比べて増えた利益から、弁護士費用の総額を差し引いて考えます。
実質的な増額利益=最終的な経済的利益-依頼前の確定提示額-弁護士費用総額
ここでいう弁護士費用総額には、着手金・報酬金だけでなく、消費税、実費、日当、訴訟追加費用、専門家費用などを含めます。賃料免除や原状回復義務の免除など、現金以外の利益を成功報酬の対象にする場合は、その評価額もそろえて比較します。
大家から提示がある場合
依頼前に大家から300万円の確定提示があり、依頼後に800万円で解決したなら、増額分は500万円です。弁護士費用総額が100万円であれば、金銭面の実質的な増額利益は400万円となります。
ただし、300万円が単なる口頭の打診で撤回可能だった場合や、期限・原状回復などの条件が違う場合には、単純な差額比較が適切でないこともあります。基準額を委任契約で明確にしておきましょう。
大家から提示がない場合
提示額が0円又は未提示の場合、最終的な立退料総額を増額利益として扱う料金体系があります。一方、移転に必要な実費や営業損失が大きい事業用物件では、立退料を得ても実際の損失を完全に補えない場合があります。受領額だけでなく、移転後の資金繰りまで含めて判断することが大切です。
金額以外の条件も含めて判断する
明渡期限の延長、フリーレント、原状回復免除、敷金・保証金の全額返還、造作買取などは、事業継続に大きな価値を持ちます。もっとも、これらを成功報酬の対象とする場合は評価方法が必要です。見積書に計算方法がなければ、具体例を示して確認してください。
立退料の増額余地を高めるには、正当事由の弱さだけでなく、移転費、賃料差額、内装・設備費、営業損失などを資料で具体化する必要があります。費用対効果を判断する前提として、立ち退き料を増額する5つのコツと必要資料も参考にしてください。
弁護士費用の見積書で確認すべき10項目
複数の事務所を比較するときは、着手金や成功報酬の数字だけでなく、同じ条件で総額を計算できるかを確認します。次の10項目を質問すると、見積りの違いが分かりやすくなります。
- 相談料の無料範囲:初回だけか、見積りや追加相談も無料か。
- 着手金の算定基礎:請求希望額、争点額、見込額のどれを使うか。
- 成功報酬の算定基礎:立退料総額か、大家提示額からの増額分か。
- 成功の定義:金銭受領、合意成立、支払確定のどの時点で報酬が発生するか。
- 最低報酬・解決報酬:割合計算とは別に定額費用があるか。
- 非金銭条件の評価:期限延長、賃料免除、原状回復免除をいくらと評価するか。
- 訴訟移行時の追加費用:追加着手金、期日日当、控訴費用はいくらか。
- 実費・日当・専門家費用:概算、上限、事前承認の要否。
- 中途終了時の精算:解任、辞任、合意前撤回の際に何が返還されるか。
- 保証制度の条件:申出方法、基準額、対象費用、差額返還の時期。
見積書の金額が安くても、訴訟費用や最低報酬が別であれば総額は高くなることがあります。反対に、着手金があっても成功報酬の算定基礎が増額分に限定され、総額では有利になることもあります。可能であれば、同じ仮定金額を使って各事務所に総額を計算してもらいましょう。
立退料請求の弁護士費用を抑えるポイント
合意書に署名する前に相談する
退去期限や立退料に関する合意書へ署名した後では、増額交渉の余地が狭くなることがあります。大家の提案に返答する前に相談すれば、提示条件を維持したまま交渉できるか、追加資料が必要かを早い段階で判断できます。
資料を時系列で整理する
賃貸借契約書、更新契約書、立退き通知、大家とのメール・録音、決算書、確定申告書、移転先候補、内装・設備の見積書などを整理しておくと、相談時間と調査負担を抑えられます。
資料がすべて揃っていなくても、返答期限が迫っている場合は相談を先延ばしにしないでください。相談時に整理すべき事情と資料は、立退料の弁護士相談前に確認する6つのポイントで詳しく解説しています。
依頼範囲を明確にする
書面の確認だけ、交渉代理まで、訴訟対応を含む一括依頼など、依頼範囲によって費用は変わります。ただし、相手方との交渉が進んでいる案件で一部業務だけを切り分けると、かえって重複対応が生じることもあります。費用だけでなく、必要な業務を漏れなく含むかを確認しましょう。
手取り額で比較する
成功報酬の料率が低い事務所でも、立退料の算定や証拠整理が不十分なら、最終的な受領額が低くなる可能性があります。弁護士の経験、説明の具体性、交渉方針、訴訟対応力と費用を合わせて比較し、最終的な手取り額と事業継続への影響で判断してください。
立退料請求の弁護士費用に関するよくある質問
当事務所への相談は本当に無料ですか
店舗・テナント・飲食店などの事業用物件の立退き問題については、法律相談と弁護士費用の見積りを0円で行っています。正式な依頼をするまでは費用は発生しません。対応対象や利益相反などにより相談・受任できない場合があるため、申込み時に物件用途、相手方、通知内容を伝えてください。
着手金は必ず必要ですか
必ず必要とは限りません。当事務所の原則的な料金基準には着手金がありますが、案件内容や見通しに応じて完全成功報酬制などを提案する場合があります。着手金0円の場合でも、実費、事務手数料、最低報酬、訴訟追加費用の有無を確認してください。
絶対増額保証制度は自動的に適用されますか
自動適用ではありません。申出をした上で、案件が制度の適用条件を満たすか確認する必要があります。増額の基準額、保証対象となる弁護士費用、差額返還の方法は、見積書と委任契約書で確認してください。
弁護士費用を大家に請求できますか
弁護士費用が当然に立退料へ加算され、大家に全額負担してもらえるわけではありません。交渉の中で移転に伴う負担の一部として考慮を求めることはありますが、合意できるかは個別事情によります。弁護士費用を回収できる前提で資金計画を立てないようにしましょう。
立退料が入金される前に成功報酬を支払いますか
成功報酬の発生時期や支払方法は委任契約によります。相手方から弁護士預り口座へ立退料が入金され、そこから費用を精算する方法もあります。合意成立時に報酬が発生するのか、実際の入金時に発生するのかを確認してください。
途中で依頼をやめた場合はどうなりますか
着手金の返還、中途報酬、実費精算などは委任契約の定めによります。弁護士が相手方へ通知した後に直接合意した場合でも報酬が発生する契約があります。解任・辞任・直接和解の扱いを依頼前に確認しましょう。
まとめ|料金表ではなく手取り額と保証条件まで確認する
立退料請求の弁護士費用は、相談料、着手金、報酬金、実費などで構成されます。事務所ごとに料金体系が異なるため、料率だけを比べても、本当の負担額は分かりません。
- 成功報酬が総額基準か増額分基準かを確認する
- 訴訟移行時の追加費用と実費を含めて比較する
- 最低報酬・非金銭利益・中途終了の扱いを確認する
- 絶対増額保証制度は申出と適用条件を書面で確認する
当事務所では、事業用物件の立退き問題について法律相談と見積りを0円で行い、案件に応じて絶対増額保証制度などを提案しています。大家の提示額や退去期限へ回答する前に、契約書、通知書、提示条件が分かる資料を準備し、費用と増額見込みを合わせて確認してください。
坂尾陽弁護士
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