立ち退き料請求の弁護士相談をするとき知らないと損する6つのポイント

 

1. 立ち退き料の弁護士相談するときはコツがあります。

 

経営が順調にもかかわらず、大家さんの都合によって立ち退きを求められても簡単には応じられないと困っていませんか。また、立ち退きを求められると同時に大家から立ち退き料の提示があった場合、その立ち退き料は適正なのか疑問を抱かれるかもしれません。

 

立ち退きは弁護士に相談するべきです。

なぜなら立ち退き問題は個別具体的な事情によって大きく結論が変わります。ネットの記事を見てもあなたの事案で正確な結論は得ることは難しいです。また、立ち退き問題に直面する経営者は具体的にどう動いたらよいかわからないので、弁護士に相談したいと考えている人もいるでしょう。

 

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立ち退き料の弁護士相談はコツを押さえないと損をします

しかし、立ち退き料の弁護士相談にはコツがあります。個別具体的な事情によって結論が異なるため、弁護士に上手く相談しないと適切な助言を得られません。

また、立ち退き料を請求するときは、決算書や新しい店舗を借りるための家賃相場などから移転費用の見積りを作成する必要があります。立ち退きの弁護士相談は様々な資料が必要なのです。

せっかく弁護士に相談しても正確なアドバイスを得られないと損をする可能性が高いです。

 

そこで、この記事では店舗やテナントの経営者が立ち退きに関して法律相談をするときに必要な資料や、説明すべき事情について紹介していきます。

 

2. 立ち退きの理由を知る

 

立ち退きを弁護士に相談するときにまず整理しておきたいのが「どのような理由で立ち退きを求められたか」です。

 

2.-(1)     なぜ立ち退きの理由が重要か?

なぜなら、法律によって賃借人の立場は守られており、立ち退きを求める正当事由がないとそもそも立ち退きが認められないからです。大家が主張する立ち退きの理由が正当事由として認められるかどうかについては、個々の事情によって異なるため一概にはいえません。最近のご相談者様から比較的多い事例としては「建物の老朽化による建て替え」というものがあります。

立ち退きを求められる側としてもう一つ知っておきたいのは、「立ち退き料は正当事由を補完する要素の一つである」ということです。つまり、立ち退きを求める正当事由が強い場合は立ち退き料の金額は低くなり、正当事由が弱い場合は高額な立ち退き料を請求できます。たとえば、「現状に問題はないが建物を新しくして集客力を増したい」という理由である場合は、大家側の一方的な事情なので比較的高額な立ち退き料を請求できます。ただし、この場合で建て替え後のテナントに再度入居できる契約を結んだケースでは、引っ越しなどの費用が請求できなくて立ち退き料が低くなるケースが多いです。

 

2.-(2)     弁護士に相談するべき立ち退きの理由

以下のようなことを理由として立ち退きを求められた場合はとくに弁護士に相談する必要が高いと言えます。

・建物の老朽化

・建物のオーナーが変わった

・周辺の再開発

・建物の用法違反

 

2.-(3)     相談NGな立ち退き理由

逆に以下のような理由で立ち退きを求められた場合は弁護士に相談しても有意義なアドバイスを得られる可能性は少ないでしょう(私たちは以下のような立ち退き理由の案件は法律相談をお断りしています。)。

・数か月家賃を滞納した

・定期賃貸借の期間満了

・物件で事業を行っていない

 

2.-(4)     立ち退きの理由が分からないときの対応方法は?

しかし、最近では立ち退きの理由が明らかでなかったり、複数の理由を言われることがあります。なぜなら、大家側も真の立ち退き理由を巧妙に隠して立ち退きを要求するようになっているからです。

最近は不動産市況が好調であったり、ローンが比較的容易であるため、単に現在の賃借人を追い出して、リフォームした上で高い家賃で新たに賃借人を募集したいと考える大家が少なくありません。しかし、立ち退きの理由が単に「大家や新しいオーナーが儲けるため」では立ち退きの正当理由は認められません。そこで、立ち退きの理由として色々な口実を言う事例が少なくありません。

このように立ち退きの理由が明らかでないときは、立ち退きに詳しい弁護士に相談しましょう。弁護士に相談すれば真の立ち退き理由を教えてくれて簡単に解決できることも少なくありません。

 

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3. 立ち退き料の算定方法を知る

 

弁護士に相談する前に立ち退き料の計算方法を知ることも重要です。限られた時間の中で弁護士に相談するためにはどのような点が重要かを知っておくべきだからです。

 

3.-(1)     立ち退き料の重要な要素

立ち退き料の算定方法で重要な点は、引っ越しにかかる移転費用と営業損失を被った部分の費用を合計することです。さらに、長年賃貸している物件では、引越しに伴って同等物件でどれだけ賃料が値上がりするか(差額家賃)も重要になります。

 

3.-(2)     移転費用で説明すべき事情

移転費用というと引越し料金と思われるかもしれません。しかし、立ち退き料算定の移転費用は引越しをして新しく営業を開始するまでに必要な費用のことです。

引越し費用だけでなく、引越先で必要な内装工事費や設備投資や顧客に対して新店舗をアピールするための広告費なども含まれる場合があります。移転費用の見積りや新しい店舗を開店する周辺地域の家賃相場などの書類があると客観的に判断できるでしょう。

もっとも、立ち退きを求められた直後では移転費用の見積りは分かりません。このような場合は現在の物件で要した開業費を説明することで代替できる場合があります。

 

3.-(3)     営業補償に関して説明すべき事情

営業補償に関してはズバリ経営状況はどうなのかを説明することになります。営業補償は立ち退きによって営業利益が減少する部分を大家に請求できるというものです。営業補償に含まれるものは営業停止期間中の売り上げだけではありません。休業中の従業員の給与補償や新しい店舗の経営が順調にいくまでの一定期間の補償も含まれます。

しかし、事細かにこのような事情を説明する必要はありません。個人事業主であれば確定申告書、法人であれば決算書を2~3期分持参して相談時に弁護士に見せます。店舗や飲食店であれば資料を見れば、立ち退き問題に詳しい弁護士であればすぐ判断できます。

資料を見た弁護士が必要に応じてビジネスモデルや特徴的な点を相談時に質問するので、それに答えれば大丈夫です。

 

3.-(4)     差額家賃で説明すべき事情

差額家賃では賃貸借物件で長年営業していることにより得ている経済的利益を算出します。一般的に、大昔に借りた物件は家賃が低いため、現在より有利な条件で物件を借りられています。

現在と同様の事業を行う場合に何坪程度の物件が必要か、また近隣でその坪数の物件の坪単価はいくらかを弁護士に相談する前に調査する方が良いでしょう。立ち退きを求められたときは自然と同等物件を調べると思いますが、その結果を相談時に弁護士に話してください。

そもそも同等物件がほとんどなかったり、現在の家賃と比べて大幅に値上がりをしている場合があります。このような場合は簡単に立ち退きに応じることは現実的に難しいですし、立ち退くとしても高額な立ち退き料を貰える可能性が高いため弁護士に相談する必要性が高いと言えます。

 

4. 立ち退き料の相場を知る

 

立ち退き料に相場はありません

立ち退き料の相場を知ると書きながら、いきなり矛盾していますね。正確には立ち退き料に相場はないことを知る必要があります。例えば、立ち退き料として〇〇円が適正ですねと一律には言えません。

何坪の物件を月額家賃いくらで借りているか、どのような事業を営んでいるか、経営状況はどうかで大きく結論が変わるのです。すなわち、立ち退き料は相場があるのではなく、あなたの事案における個別具体的な事情によって大きく変わります。

 

4.-(1)     高額な立ち退き料を貰える

しかし、あなたが思っているより高額な立ち退き料を貰えることが少なくありません。このことを認識しておく必要があります。一般的に大家から提示される立ち退き料は月額家賃の6か月分程度です。

でも、弁護士に相談して立ち退き料の増額交渉をすれば、5倍~20倍程度の家賃を貰える可能性もあります。店舗、事務所、飲食店でも微妙に異なりますが、月額家賃の数十か月から100か月程度の立ち退き料が認められることも少なくありません。例えば、家賃20万円でラーメン店を営んでいる方であれば、大家からは100万円~200万円程度の提示しかない場合でも、2000万円程度の立ち退き料が貰える可能性があります。

 

4.-(2)     立ち退き料はチキンレース

他方で、立ち退き料請求はチキンレースの要素があります。立ち退き料の増額交渉がまとまらない場合、大家から立ち退きの裁判を起こされることになりますが、裁判で立ち退きが認められると立ち退き料は貰えないリスクがあります。

できるだけ立ち退き料を貰いたいと思っても、欲張りすぎると全く立ち退き料を貰えずに強制的に立ち退かされることもあるのです。まさしく立ち退き料はチキンレースです。

 

4.-(3)     立ち退き料は難しい

立ち退き料は相場がなく個別事情で大きく結論が変わるのに、他方で欲張りすぎると立ち退き料が貰えないリスクもある点が立ち退き料の問題を難しくしている点です。

このことは弁護士に相談する前に知っておくべきでしょう。立ち退き料の相談をするときは、大家やあなた、そして弁護士の性格や考え方によっても適切なアドバイスは異なります。

立ち退き問題に詳しい弁護士に相談しても納得がいかない場合は、あなたがリスクを取っても出来る限り立ち退き料を貰いたいのに対し、弁護士としてはリスクを考えてアドバイスをすることがあるからです。

従って、あまりに欲張りな方は弁護士に相談しても意味がないかもしれません。また、素人判断で大きく損をするのを避けたい場合は、弁護士のアドバイスに素直に従う方が得策です。

 

5. 立ち退き料の裁判例を知る

 

立ち退き料に関する裁判例を予め知っておくことも重要です。最も、立ち退き料は個別具体的な事情によって異なりますし、実務的にはほとんど裁判にならずに解決できます。

法律相談時に裁判例を持参する方もおられますが、あなたの事案では事情が違うという場合がほとんどですし、そもそも交渉で解決できれば参考になりません。

裁判例を知っておく意味は、裁判になるのは上手く解決できずにこじれた事例であることを前提として、最終的には立ち退きが認めらること、但し立ち退きが認められる場合でも立ち退き料を貰える場合があることを知ることです。

このような観点から本記事では2つの裁判例を紹介します。

 

5.-(1)     20年営業する焼き鳥店の立ち退き料が200万円

飲食店としておよそ20年経営を続けている焼き鳥店の場合に認められた立ち退き料はおよそ200万円でした。この事例は、2階建ての建物の1階部分で営業をしていたのですが、2階に住んでいるオーナーが高齢になったので1階部分を住居にしたいという理由です。

賃借人は長年営業をしていますが、ほかの場所での営業もできます。これに対して、オーナーはその建物が自宅なので高齢になって介護が必要になると1階部分を居住空間にするしか方法はありません。このような事情から立ち退き料を支払えば立ち退きを認めるという判断が裁判所で下されました。

 

5.-(2)     高級下着店の立ち退き料4000万円

高層ビルが立ち並ぶ商業地区にある建物の1階と2階部分を利用している高級婦人下着店の裁判例です。

立ち退きの理由は、建物の老朽化及び再建築で高層化して土地を有効活用をしたいということでした。

裁判所は、建物老朽化による建て替えの必要性や土地の有効活用といった賃貸人側の事情に配慮した上で、正当事由を補完するために立ち退き料の支払いは命じています。

立ち退き料算定に当たっては、高級婦人下着店という店舗の性質上、薄利多売ではなく一定の固定客に売り上げを依存するタイプなので営業に対する損失が大きく、認められた立ち退き料は4000万円という比較的高額が認められました。

 

5.-(3)     立ち退き料の裁判例から学べること

 

立ち退き料は弁護士相談で大きく変わる

いずれも裁判になった事例ですが、基本的に弁護士が立ち退き料の交渉をして、交渉がまとまらないから裁判になるわけです。要するに裁判例は、大家と賃借人が徹底的に戦った場合なのですが、徹底的に戦って4000万円を得る場合もあれば、徹底的に戦ったにもかかわらず200万円しか得られない場合もあります。

このように立ち退き問題は弁護士にどう相談するか、どのような方針で立ち退き料を求めるかで大きく結論が変わります。個別的な事情や交渉テクニックにもよるため、一概に徹底的に戦うべきor妥協するべきとは言えません。弁護士に相談する場合は裁判例でも結論は大きくことなるため、立ち退き問題は簡単ではないことを認識することが一番重要です。

 

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6. 弁護士に相談する目的を整理する

 

弁護士に相談する場合は立ち退き問題を弁護士に相談する目的を考えることもポイントです。

 

6.-(1)     適切な解決方針を知りたい

ご相談者で一番多いのは、立ち退きを求められてどうすれば良いか分からない方です。立ち退きをすべきか、どの程度の立ち退き料を貰えるのか、弁護士に依頼するべきか分からない場合は、率直に弁護士に適切な解決方針を教えて貰いましょう。

ポイントは弁護士に依頼するか、又は弁護士に依頼しても意味がないかが重要です。弁護士に依頼すれば、立ち退き期間を延長した上で立ち退き料を増額できることも少なくありません。他方で、立ち退き理由や大家の提示額によっては弁護士に依頼してもメリットがない場合もあります。

どうして良いか分からない場合は、弁護士に依頼するべきか否か、弁護士に依頼した場合の解決方針は何かを相談時に確認しましょう。

 

6.-(2)     立ち退き料を多く貰いたい

立ち退き料を少しでも多く貰いたい場合は弁護士に依頼した方が無難です。適切な立ち退き料を請求するためには、移転経費や営業補償などさまざまな費用について計算しなければなりません。しかし、実際の立ち退きにあたっては現店舗の閉店までの計画や、新店舗の開店計画を同時進行で行わなければいけないので、立ち退き料の計算まで手が回らないことがあります。

また、賃貸人のなかには複数の不動産を持っていて、立ち退きについての知識を豊富に持っている人もいるので、素人の賃貸人では太刀打ちできないケースもあるでしょう。こうした経験のない賃借人の場合、相手が提示してきた立ち退き料が適正かどうか判断できないことがほとんどです。

立ち退き料には明確な相場というものはありませんが、個々の事情と過去の判例からどれぐらい請求できるかという予測や適正額を算定することは可能です。弁護士に依頼すれば、裁判でどのような結論になるかの見込みを踏まえて交渉でギリギリまで高額な立ち退き料を貰えるでしょう。

 

6.-(3)     自分で対応する自信がない

立ち退き交渉を弁護士に依頼するメリットとしては、相手が提示してきた立ち退き料が適正かどうか判断してもらう以外にも「話し合いを任せられる」ということがあります。立ち退き料の話し合いは、お金が関わってくることですので相手側も感情的になってしまうこともあります。しかし、立ち退き問題に詳しい弁護士であれば、そのような経験を数多くこなしていますので、ケースバイケースで対応するノウハウを持っています。現店舗の閉店や新しい店舗の営業について考えなくてはいけないときに、そのような面倒ごとを自分で処理したくないのであれば、専門家に任せられるということは、とても大きなメリットだといえるでしょう。

また、自分で対応できないケースとしては、大家が弁護士を立てて来た場合や裁判になるリスクがある場合です。弁護士に依頼すれば立ち退き問題の訴訟対応を任せられます。どうしても立ち退きを拒否したい場合や、立ち退き期間を少しでも延長してしまいたい場合は裁判も有力な選択肢です。もっとも裁判を考えている場合でも、話し合いの最初から任せている専門家であれば流れがわかっているので、スムーズに対応してくれるのです。

 

7. 立ち退き料の相談時の持参資料

 

ここまで読まれて弁護士に相談するのはハードルが高いと思われたかもしれません。しかし、一番重要なのは立ち退きを求められてすぐに弁護士に相談することです。

このような観点からは、最低限として以下の資料を用意できればすぐに弁護士に相談した方が良いでしょう。

・賃貸借契約書

・確定申告書や決算書2~3期分

・同等物件の家賃相場

 

もっとも、賃貸借契約書がない場合も少なくありません。また、確定申告書や決算書がすぐに用意できない場合は、どの程度の売上・利益があるのかだけでもOKです。立ち退き料を効率的に請求するためにも、弁護士に相談前に資料を用意することは大事です。しかし、立ち退き料の提示をした大家から即断を求められたり、迷っているうちに強引に示談書に押印させられるケースもあります。

 

一番大事なのはすぐ弁護士に相談すること

迷っているうちに状況はどんどん不利になる可能性があります。資料が多少ない場合でも早めに弁護士に相談をすることを優先してください。

 

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8. まとめ

立ち退きを求められて弁護士に相談するときのコツを解説しました。弁護士に上手く相談できないと大きく損をする可能性があります。なぜなら、立ち退き料は裁判例でも大きく結論が分かれるため、個別具体的な事情を弁護士が理解した上で助言を求める必要があるからです。

できれば、弁護士に相談する前には賃貸借契約書、確定申告書や決算書2~3期分、同等物件の家賃相場を持参した方が良いです。しかし、これらの資料がない場合もありますし、準備に時間がかかるぐらいなら早めに弁護士に相談した方が良いです。

立ち退きを求められて悩んでいるうちに大きく損をするリスクもあります。まずは立ち退きに詳しい弁護士に早めに相談することが一番重要です。

 

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